「人生虚しい」や「仕事が面白くない」の悩みを解消する方法とは?
あなたは次の悩みを抱えていないでしょうか?
・休日は嬉しいが、仕事の日になると憂鬱になる
・ついお金を多く使ってしまう
・娯楽で楽しんだ後、虚しい気持ちになる
など。これらの悩みは多くの方が日常生活でよく抱えているものとして見受けられます。
これらの悩みには、ある共通点があります。それは、
生産より消費が多いこと
です。このことに関して、作家・吉野源三郎氏が小説『君たちはどう生きるか』の中で解説されています。
そこで、今回は小説『君たちはどう生きるか』の名言に触れながら日常的な悩みの解決に役立つ記事を紹介します。
日常生活の悩みの本質は「生産より消費が多いこと」?
冒頭のとおり「生産より消費が多いこと」が日常的な悩みの共通点であることについては理解できますが、なぜそれが悩みの種になるのか、今一つイメージできないですよね。
具体的にイメージするには、生産と消費の違いについて次のように少し整理しておく必要があります。
(1) 仕事と娯楽の関係
生産と消費の違いは大雑把に言えば、仕事と娯楽の関係に当てはまります。
仕事は何かを生産していくものであるのに対して、娯楽は何かを消費していくものですよね。例えば、勤務日に一生懸命仕事をして、休日にはどこかへ出かけたりゲームで遊んだりするのであれば、生産と消費の関係では、
勤務日は生産、休日は消費
という関係と言えます。
しかし、ここで問題なのが勤務日と休日での快感度のバランスです。休日での快感度が大きすぎると、勤務日の仕事へのモチベーションに支障があります。なぜなら、仕事への切り替えが難しくなるからです。
快感度のバランスは、休日の翌日に「休日はそこそこ楽しめた。さあ仕事に切り替えよう!」と思えるくらいが望ましいでしょう。
(2) 収入と支出の関係
生産と消費の関係は収入と支出の関係とも言え、上記(1)とも関連していて、仕事をすれば収入が増え、生活や娯楽により支出が増えていきます。
ここでも問題となるのが収支のバランスで、特に生活や娯楽による支出が多くなりすぎないように家計を管理しておくことが必要です。
それには
・仕事の中で面白さを見つけること
・節約
をしていくことが望ましいです。「仕事が面白くない」と一般的に思われることが多いものですが、仕事の中で面白いことを必死に探してみると意外に見つかるものです。
ただ、どうしても面白さが見つからないという場合も現実にありますので、その場合は仕事を変えるのがオススメです。面白くない仕事を続けていても、その人にとっては生産的なことではありませんから。
仕事の生産性とは?
ここで「その人にとっては生産的なことではない」と申し上げましたが、仕事の生産性は社会に対してだけでなく、その仕事をする人に対しても存在していると言えます。
例えば、毎日上司や顧客などから暴言を浴びながら仕事を続けていくことに生産性があるでしょうか?
この問いに対して、「生産性がないので転職すべき」という回答があれば、「暴言に抵抗していくことで強いメンタルを身につけ、生産性を感じる」という回答もあるでしょう。
「仕事が面白くない」と思う方は、今一度、あなたにとっての仕事の生産性について確かめてみるのも一つの手です。
小説『君たちはどう生きるか』の日常の悩みに効く名言とは?
以上のように生産と消費の違いを整理してみると、消費の多さが悩みの主な原因となっているイメージが少しでも描けるのではないでしょうか。
そこで、小説『君たちはどう生きるか』の次の名言に触れてみると、そのイメージをより具体的にすることができるので、下記に紹介します。
『君たちはどう生きるか』には中学生の「コペル君」と「叔父さん」が登場しますが、下記に紹介する言葉はいずれも「叔父さん」が「コペル君」に対して書いた手紙の中のものです。
「世の中からいろいろ受け取って、何を与えているのか」
君自身は何をつくり出しているだろう。世の中からいろいろなものを受け取ってはいるが、逆に世の中に何を与えているかしら。
※引用元:『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎・著 岩波文庫)139頁より
この名言からは、
・「世の中から受け取る」という意識
・「世の中に何かを与える」という意識
が重要なポイントです。私たちが普段生活や娯楽で過ごしている際に、この「世の中から受け取る」という意識があるでしょうか?
また、仕事や手助けなどをしている際に「世の中に何かを与える」という意識があるでしょうか?
このことから何が言えるのかと申しますと、私たちは一つの立場のみで生きられないということです。与える立場があるからこそ受け取る立場があり、その逆も言えます。
このうち「与える立場」のイメージが重要で、「仕事が面白くない」と思ったときにこの言葉を思い出すと「私は世の中に何を与えているのだろう」とイメージするのに役に立ちます。
そうイメージできれば、「あなたが世の中に何かを与え、それを受け取ってくれる人がいるという世界」に生きることができます。それこそが人間世界です。
「生み出す働きこそ、人間らしくしてくれるのだ」
生み出してくれる人がなかったら、それを味わったり、楽しんだりして消費することは出来やしない。生み出す働きこそ、人間を人間らしくしてくれるのだ。
※引用元:『君たちはどう生きるか』(吉野源三郎・著 岩波文庫)140頁より
あなたが仕事や手助けをしたとき、どんな気持ちになりますか?
清々しい気持ちになりますよね。人間って不思議なことに、自分のためにすることよりも他人のためにすることの方が快感度の高い脳になっているようなのです。
例えば、料理を一人で作って食べるのと、誰かの分も一緒に作って食べるのとでは感じ方が違いますよね。
誰かのために何かをしたことで感じる瞬間こそが「人間らしさ」と言えるのではないでしょうか。
超意訳で申しますと、この名言は「人間快感度倍増の法則」を提言しているということです。
生み出すことを増やして幸福になろう!
ここまで小説『君たちはどう生きるか』の名言に触れながら日常的な悩みの解決に役立つ記事を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
普段意識しないで生活していると気がつけば消費が多いもので、それが原因であらゆる悩みを抱える状況に陥っている可能性があります。
消費は「世の中から何かを受け取る」ことでありますが、そればかりでなく「世の中に何かを与える」生産についても意識しておくことで日常的な悩みのほとんどを解消することができます。
ただ、このことについてはこの記事を読んだ後には忘れてしまうものです。そこで、時々 『君たちはどう生きるか』の名言を思い出してみると、生産と消費のバランスのことについて思い出すことができるでしょう。
なお、『君たちはどう生きるか』には今回紹介したもの以外にも名言があり、幸福になれる名言について別の記事「幸福になるには『君たちはどう生きるか』が必須?人生に役に立つ名言を解説!」で紹介しておりますので、そちらの記事も参考にご覧ください!
『君たちはどう生きるか』の内容について気になる方は、以下の漫画版をお読みいただくと、理解しやすいです。
「漫画でなくてもいい」という方は、以下のものをオススメします!