小説『異邦人』ムルソーに学ぶ「悩む時間の無駄」を9割減らす方法とは?
あなたは意味を求めすぎていませんか?
「人生つまらない。生きる意味って何なのだろう」
「悪いことをしていないのになぜ不幸な目に遭うのか」
「あの人の言った意味は何なのだろう」
などと人はこのように意味を求めるものでありますが、求めすぎるとそれに振り回され、災難を招くことも多々あります。
意味に振り回される時間って無駄ですよね。
無駄を省くのにいい小説があります。それは、
『異邦人』
です。そこで、今回は小説『異邦人』ムルソーに学ぶ「悩む時間の無駄」を9割減らす方法について紹介します。
小説『異邦人』とは?
『異邦人』は、1942年に刊行されたフランスの作家カミュの小説です。
普通に「異邦人」というと、「外国人」や「旅人」の意味だと思いますよね?
英訳では「The Stranger」(よそもの)となっていますので「よそもの」という意味に近いですが、実際に読んでみると想定と違うことに気づきます。
『異邦人』の内容について一言で言えば、「独自の信念を持った人が周囲の信念に迎合しない話」です。
迎合しないために死刑判決までになってしまう大げさな設定がありますが、そこは重要ではありません。
『異邦人』の重要性は、主人公・ムルソーの次の考え方に見えます。
ムルソーに学ぶ「悩む時間の無駄」を9割減らす方法とは?
「悩む時間の無駄」を減らすヒントは次の言葉にあります。
人生が生きるに値しない、ということは、誰でもが知っている。
※引用元:『異邦人』(カミュ・著、窪田啓作・訳)120頁より
このことから次の考え方を見出すことができます。
人生に意味を求めない
「人生が生きるに値しない」は「人生に意味を求める価値がない」とも言えます。
あなたは「人生に意味を求める価値がある」と思いますか?
人が悩むのは、意味を求めるものの答えが出ずに苦しむからです。
例えば、
「なぜ自分だけ不幸な目に遭わなければならないのか?」
と捉えるのも意味を求める行為であり、「不幸に遭う意味」を求めるために余計に苦しくなります。
人間は生まれながらにして不公平・不平等です。それは否定しようがありません。
何かを考えるときには「意味がある」ではなく「意味はない」を前提にすれば、意味以外に意識が向きます。
例えば、「出来事に意味はない。そんなことより、今後どうしていくかが重要だ。」という意識に向きます。
このように、意味を求めなければ無駄な悩みがなくなり、建設的に今後のことを考えていくことができるのです。
ムルソーの信念は仏教の精神に近い?
「人生が生きるに値しない」と捉えるムルソーの信念は、仏教の精神に近いものがあります。
それは「色即是空」という概念です。詳細の意味は別の記事をご覧いただければと思いますが、簡単に言えば「すべての事象は実体がない」というものです。
ムルソーの信念は次の言葉に特徴が見られます。
マリイは、あなたは私を愛しているかと尋ねた。それは何の意味もないことだ
※引用元:『異邦人』(カミュ・著、窪田啓作・訳)39頁より
他にも
・「どちらでも私には同じこと」
・「どっちでもいい」
・「何の重要性もない」
といった言葉が登場しますが、このように捉える見方が「色即是空」です。
「心の虚像」
確かに愛することは承認欲求、あるいはそれに応じる行為でありますが、「心の虚像」にすぎません。
「心の虚像」は脳の作用によるもので、実体がありません。それは砂漠でオアシスが見える蜃気楼のようなもの。
実体のないことに気づけば、「心の虚像」に囚われることなく今の自分や今取り組むべきことに立ち戻ることができます。それこそがムルソーの信念による効能です。
「あの人はどういう意味で言ったのだろう」と考えたときに出てくる妄想も「心の虚像」です。捉え違いをすれば「そういう意味で言ったのではない!」と弁解されるだけ。
意味に囚われることは妄想になりかねませんし、妄想に苦しむほど愚かなことはありません。そのため、意味の囚われないことが望ましいのです。
意味に囚われずに人生をどんどん歩んで行こう!
ここまで小説『異邦人』ムルソーに学ぶ「悩む時間の無駄」を9割減らす方法について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
「意味を求めると無駄な妄想時間が増えやすい」という認識を持つことが望ましいです。
ムルソーのように意味に囚われない生き方をすると、
「人生つまらない。生きる意味って何なのだろう」
「悪いことをしていないのになぜ不幸な目に遭うのか」
「あの人の言った意味は何なのだろう」
などと妄想する時間の無駄を減らすことができます。
その分、これまでより時間を有効活用できるのではないでしょうか。
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