紀平梨花と浅田真央との違いは何か?「一流の修正力」を紹介!

フィギュアスケートでトップスケーターになる秘訣はメンタルと修正力にあり、それを学ぶことができるついに紀平梨花選手が平昌五輪金メダリスト・ザギトワを破り、GPファイナルを優勝しましたね。

紀平梨花選手は幼少時から運動能力に長けていて、幼稚園時代では片手で側転をしたり、8段の跳び箱を跳んだりできるほどの天才ぶりです。

そんな飛び抜けた天才の運動能力を持ち合わせている紀平梨花選手から、私たちに学べることがあります。

それは、

「修正力」

です。彼女は練習や大会の度に携帯電話のメモ帳に改善点をメモして次回に活かしているそうです。世界一のザギトワを負かしたのは、その努力のたまものです。

そこで、今回は紀平梨花選手に学ぶ「一流の修正力」について紹介します。

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紀平梨花選手に学ぶ「一流の修正力」とは?

失敗しても慌てずに修正するには事前に十分な準備をしていく努力が必要不可欠である紀平梨花選手トリプルアクセルで着氷に失敗しても冷静に判断して、その後の演技の構成を変更しながら高いレベルのパフォーマンスを発揮することができます。

その秘訣と考えられるものは次の4点です。

(1) 改善すべき点の積み上げ

冒頭でも紹介しましたが、紀平梨花選手は練習や大会を通じて改善すべき点について携帯電話のメモ帳に記録しているそうです。

メモ魔のアスリートと言えば、別の記事で紹介しましたスキージャンプの高梨沙羅選手が思い浮かべられますが、彼女も世界のトップ選手であることに要注目です。

あなたは改善すべきことについて記録をしていますか?

していない方がほとんどだと思われますが、一流の人は記録しているのです。

メモの大きなメリットは、改善すべき点を言語化することにあります。言語化する前は頭の中にモヤモヤとしたものがぼんやり存在する状態ですが、これがなかなか簡単に取り出せるものではありません。

忘れるというのは、このモヤモヤが取り出せない状態のことを言います。

そこで、改善すべき点をメモして積み上げていくことで現在の経験がすべて身になっていくものと考えられます。

ベテラン選手のような発言

紀平梨花選手はまだ16歳なのにベテラン選手のように冷静に柔軟な思考ができるのはこのためです。

それを実感している発言が次のようにありました。

冷静に判断できたのも経験から。積み重ねたものが身についてきた。

※引用元:2018年11月26日付け東京新聞TOKYO WEBの記事「紀平、GP連勝 ファイナル進出 フィギュア・フランス杯」より

この発言から、経験の度に過去の経験で得た改善すべき点を有効活用していることについてご理解いただけるのではないでしょうか。

(2) 努力で得た感触をベースにする

紀平梨花選手はGPファイナル出場権を獲得した後のインタビューで次のように発言していました。

毎日の練習は、筋肉の状態にも合わせるようにしています。たとえば、飛行機で長い時間移動すると、筋肉が緩くなってる。そんなときも無理やり跳べば、跳べないことはない。けれど、筋肉が締まってるいつもの状態とは違うので、変な癖の付いた跳び方になってしまう……。だからそんな日は、トリプルアクセルは跳ばない。次の日、筋肉が完璧な状態に戻ってから、初めて練習します。

※引用元:講談社の運営メディア・クーリエジャポンの2018年11月25日付け記事「紀平梨花16歳、まだ発展途上な「考える努力家」の素顔」より

この発言を見て何か気づきませんか?

「筋肉」という言葉の多さ

です。紀平梨花選手は「自身の筋肉」をベースにあらゆるものを感じ取って調整していく能力があるのです。

つまり、多くの練習や経験で得た感触をベースにしているということです。

それだけ人並みならぬ努力をしてきた証とも言えます。

努力は報われないこともありますが、何らかの感触は得られるはずです。

その感触をベースに修正していくことはアスリートに限らず、どんな人にも重要なことです。

(3) 徹底した本番のシミュレーション

本番のシミュレーションを事前に何度も行い不測の事態に対応できるように準備しておくことが大事である紀平梨花選手は本番のシミュレーション徹底的に行い、トラブルが起こった場合の想定もしています。

フランス大会のFS(フリースケーティング)冒頭でトリプルアクセルの着氷に失敗した途端に、次に予定していたトリプルアクセルをダブルアクセルに変更しました。

これはその場の思いつきで考えたのではなく、事前に何度も頭の中で行ったシミュレーションの成果です。おそらく次のようなプランがあったものと思われます。

「もし最初のトリプルアクセルを失敗したとしたら筋肉の状態が良くない証拠だから、次のトリプルアクセルも同じ失敗をするだろう。そうなった場合にはダブルアクセルに変更する。」

このことから、成功のイメージだけでなく失敗したときのイメージをすることも重要と考えられます。なぜなら、失敗したときのイメージを事前にしておくと実際に失敗したときにパニックにならずに済むからです。

GPファイナルでは「世界一を意識した修正力」を発揮!?

GPファイナルでもフランス大会と同様に冒頭のトリプルアクセルに失敗しましたが、その後の演技構成を変更し、次のようになったことに要注目です。

予定の演技構成 実際の演技構成
3A-3T 3A失敗
3A 3A-2T
3Lo 3Lo
3Lz-2T 3Lz-3T
3F 3F
3Lz-2T-2Lo 3Lz-2T-2Lo
3S 3S

※数字は回転数、アルファベットはジャンプの種類。「‐」はコンビネーションジャンプ。
(A:アクセル、T:トーループ、Lo:ループ、Lz:ルッツ、F:フリップ、S:サルコウ)

冒頭ではトリプルアクセルを失敗した影響により予定していた「3A-3T」の演技ごと不可能となり、大きなマイナスです。そこで、紀平梨花選手は瞬時に別のプランへ切り替えたのです。

フランス大会の例なら2度目の予定ジャンプ「3A」を「2A」に抑えたのでしょうが、GPファイナルでは「3A」の予定を維持しながら「2T」を加えました。

「そうしないと世界一のザギトワには勝てない」と判断してのことでしょう。「3A」と「2A」では5点以上違いますからね。実際にも総合でザギトワと6.59点という僅差でしたから、「2A」に抑えたら負けていた可能性も考えられます。

まさに世界一を意識した修正力です。

音楽のリズムやジャンプの規定にも合わせる必要があるので、相当多くのシミュレーションを事前に行い、緻密に練られた戦略と考えられます。

(4) 結果オーライを許さない

紀平梨花選手は努力へのこだわりについて次のように発言していました。

変なふうに跳んでも、着地が決まってしまうと、癖がついてしまう。「このジャンプはダメ!」ということを体に染みこませた。

※引用元:2018年11月10日付けデイリースポーツ記事「日本初GPデビューVの紀平 快挙導いた3Aへのこだわり」より

この発言から、「結果オーライ」を許さないことについてご理解いただけます。

私たちにも学べることです。

勝負事で「よくわからないけど、なぜか上手くいった」というケースがたまにありますよね。例えば、

・何も考えずにバットを振ったらホームランになった
・何も考えずにボウリングをしたらストライクになった
・神様にお願い事をしたら願いがかなった

など。紀平梨花選手に言わせてみれば、それらは「絶対ダメ!」です。

本気で一流になるには結果自体に一喜一憂するのではなく、

「仮説と結果が結びつかない限りは、仮説も結果も信用しない」

という姿勢が必要と考えられます。

ですから、紀平梨花選手は科学的な考え方の持ち主と言え、科学者の才能もありそうです。

紀平梨花と浅田真央の違いとは?

紀平梨花と浅田真央との違いを比較してみると参考になることが理解できる
Photo by Ryosuke Yagi
- Mao Asada

紀平梨花選手は浅田真央さんとよく比較されますが、次の違いがあります。

(1) こだわる内容の違い

紀平梨花選手の次の発言の内容から浅田真央さんとの違いについてご理解いただけます。

できる限りの演技をしよう。練習と思って。

※引用元:2018年11月26日付け東京新聞の記事「紀平、GP連勝 ファイナル進出 フィギュア・フランス杯」より

「トリプルアクセルが成功するか否か」よりも「そのときの状況でのベストを尽くすこと」にこだわりを持っている印象です。

浅田真央さんはどちらかと言えば理想主義で、とにかくトリプルアクセルを跳ぶことにこだわりを持っていた印象があります。

ファンを魅了するインパクトは浅田真央さんの方が強いですが、安定感では紀平梨花選手に軍配が上がるのではないでしょうか。

なぜなら、常にベストを尽くすことを心がける姿勢であれば大きな減点になりにくいからです。

(2) プレッシャーの受け止め方の違い

プレッシャーの受け止め方についても違いがあるものと見受けられます。

浅田真央さんはソチ五輪後、次のように述べていました。

SP(ショートプログラム)ではすごいプレッシャーを感じ、またオリンピックが怖くなってしまった。悔しいというより、言葉にならず、自分は何をやってきたのだろうと。

※引用元:2014年2月14日付けニッポンドットコムの記事「世界のファンを魅了した浅田真央のジャンプ:ソチ五輪レポート3」より

プレッシャーとの闘いだった状況が窺えます。実際に浅田真央さんの表情にも表れていました。

一方、紀平梨花選手はGPファイナル後、次のように述べていました。

やはり相手のことを気にしたりどういう目的があって試合にでたりとか、いろんな目的をもって試合に臨んでいたことがほとんどだったのですが、そうすると試合の感情がすべてかわってしまうとどの試合でも気持ちと演技とでそういう成績になってしまうので、それだけは避けたいと思って、最近はどの試合でもどのメンバーでも自分のやることだけを集中して相手とかいろんなことは気にせず、とにかく自分の演技を完璧にしようと思いました。

※引用元:2018年12月10日付けFNN PRIMEの記事「【会見全文】「まだ目標の10%」GPファイナル優勝・紀平梨花選手のいまの思い」より

紀平梨花選手の場合は「プレッシャーを打ち消すこと」に重点を置き、その手段として「意識を自分の演技に集中させる」方法を採っていると捉えられます。

この比較から、

浅田真央:プレッシャーとの闘い
紀平梨花:プレッシャーの打消し

という違いが出ているように窺えます。

プレッシャーの受け止め方は人それぞれでありますが、この二人の方法については私たちにも参考になるのではないでしょうか。

紀平梨花選手のように「一流の修正力」を身につけよう!

一流の人間になるには日々の努力と改善が必要不可欠であるここまで紀平梨花選手に学ぶ「一流の修正力」について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

紀平梨花選手の活躍ぶりから次の4点について学ぶことができます。

(1) 改善すべき点の積み上げ
(2) 努力で得た感触をベースにする
(3) 徹底した本番のシミュレーション
(4) 結果オーライを許さない

このことから、結果より日々の努力がいかに重要であるかということについて捉えることができるのではないでしょうか。

プレッシャーに関しても、紀平梨花選手の考えるように「自分の演技に意識を集中させてプレッシャーを打ち消すこと」が重要と考えられます。

それには上記の4点が欠かせません。

これから自分を変えたいと思っている方は紀平梨花選手の今後の活躍ぶりを参考にしてみてはいかがでしょうか。

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