このままでは思考停止人生で危険?人間性を取り戻すための哲学の活用法や読み方を紹介!
インターネットで多くの情報が手に入りますが、私たちはその分考える力が奪われています。
あなたの脳から考える力が奪われ、思考停止するとどんなことになると思いますか?
最終的には
・機械に仕事を奪われる
・ロボットによる人間の奴隷化
という事態に陥ります。映画『ターミネーター』の未来世界が現実のものになることを想像してみると恐ろしいと思いませんか?
今でもなお、「覚えること」や「計算すること」は小中学校の学習プログラムとなっているようですが、結局それらはすべて機械がしてくれますから人間のすることのほとんどがなくなります。
そこで、最低限必要になってくるのが、
哲 学
です。哲学を活用できるようになると人間性を取り戻すことができ、将来機械に仕事を奪われるリスクを少しでも軽減させることができます。
そこで、今回は人間性を取り戻すための哲学の効用や読み方などについて紹介します。
哲学の効用とは?
哲学の効用は次の3つにあります。
(1) 物事の本質を捉える習慣が身につく
哲学の本を読むと「そういう見方もあるのか」と新しい見方を知り、物事の本質を捉える習慣を身につけることができます。
一般的な人生観は「勉強をして、いい大学に入って、いい会社に入って金持ちになり、いい人と結婚して、いい子を作ることが最高の幸せである」という捉え方ですよね。
しかし、いい大学に入らなかったら幸せじゃないのでしょうか?
いい会社に入らなかったら幸せじゃないのでしょうか?
そういった疑問に対して自分なりに答えられるようにするためのヒントが哲学にあるのです。
(2) 柔軟な思考ができる
哲学には哲学者ごとにエッセンスが存在しますが、エッセンスを活用していくと柔軟な思考ができるようになります。
例えば、ダイエットでやせると美しく見えますが、やせすぎると貧血や栄養失調などの病気になりますよね。そこで、アリストテレスのエッセンスの一つ「中庸」を活用すると「やせすぎない程度にやせるダイエット」を目指すようになるはずです。
また、頑固な性格を持ち続けると損をすることが多くなりますが、哲学の本を読んで「中庸」というエッセンスを身につければ頑固な性格を直すことができます。
このように哲学には人の思考を柔軟にさせる効用があります。
(3) 困難を乗り越える武器になる
エッセンスだけでなくエッセンスに至るまでの思考過程も活用でき、困難を乗り越える武器になります。
例えば、デカルトの「考える私だけは疑えない」(我思う、ゆえに我あり)というエッセンスは有名ですよね。このエッセンスの場合、それ自体ではなく、思考過程の方が活用できるのです。
活用の例は次のとおりです。
デカルトの思考過程を「武器」にできる例とは?
デカルトの生きていた時代では宗教改革を皮切りに教派が分かれて宗教戦争が起こり、キリスト教の真理が問われました。それに伴い、当時の人々は「何を信じればよいかわからない」という不信の状況に陥ります。
そこで、デカルトは「疑えないものは何か?」という思考法(「方法的懐疑」と言います)に転換させました。その結果、「考える私だけは疑えない」という結論に至り、「自分の頭で考えねばならないのだ」と気づくことができたのです。
この「何を信じればよいかわからない」という心理状況は現代の私たちも経験しうるものですよね。
当時の人々の心理状況を現代に置き換えてみると、そのまま当時の哲学者の思考過程を「困難を乗り越えるための武器」として活用できるのです。
哲学の本の読み方とは?
哲学を活用するには哲学の本を読むことが必要不可欠でありますが、内容が難しかったり、つまらなかったりして途中で挫折してしまいやすいものです。
そこで、哲学の本の読み方の手順を次のとおり行っていただくことをオススメします。
(1) 平易に述べられている本を読む
あなたは哲学の本をイメージすると「難しい言葉だらけの分厚い本」が思い浮かびますか?
昔はそのような本しか見受けられませんでしたが、近年では平易に述べられている本が増えてきています。
つまり、現代ではそれだけ哲学へのニーズが高まっているということが言えます。
昔は「勉強して、いい大学に入って~」の人生観でどうにか生き抜くことができましたが、現代ではそういうわけにいかなくなりつつあります。もしかしたら、このままだと近い将来「哲学を知らないのはあなただけ」になっているかもしれません。
そこで、最低限、次の2冊の哲学の本を読んでいただくことをオススメします。
この2冊はスラスラ漫画を読むような感覚で読み進められ、スムーズに頭の中に入っていきます。最終的には哲学史の全体的な流れが把握でき、「結局哲学とは何なのか」という点について本質的な疑問をつき、理解が深まりやすいのです。
(2) 哲学者のエッセンスを紙に書いて整理する
哲学者のエッセンスを紙に書いて整理すると理解が深まります。一冊読み終えた後ではなく、読みながら整理するのが望ましいです。
エッセンス同士で比較してみると真逆だったりすることも多々あります。
例えば、人の本性を善とする説(性善説)があれば悪とする説(性悪説)もありますよね。
その場合には「どちらが正しいか否か」という読み方ではなく、「そういう考え方もあるのか」という読み方でさらっと拾い上げていくことをオススメします。
そもそも世の中に「正しい考え方」など存在していないに等しく、「正しい考え方」と言われるものは多数決や戦争の勝利などで決められているに過ぎないということは前提にしておくべきことであります。つまり、すべての主張は「仮説」に過ぎません。
(3) アウトプットの仕方を決める
哲学者のエッセンスについて知識の整理ができたら、アウトプットの仕方を決めることをオススメします。
「デューイの道具主義」というエッセンスを本ブログで「人生の道具箱」という形で発信して活用していますが、これもアウトプットの形の一つです。
他にもアウトプットの仕方は色々あります。
例えば、
・「自分に甘いのでストア派の禁欲主義で行こう」
・「誰も信じられなくなったときは懐疑主義で行こう」
・「マルクスの説く労働の疎外の状態にならない仕事の仕方をしよう」
などと今後の行動の指針を決めたり、特定の物事に当てはめたりするようにしていけばいいのではないでしょうか。
哲学の難しさを克服する方法とは?
哲学は難しいのである程度精神力が必要ですが、下記の方法を実践していただくと克服することが簡単にできます。
(1) 覚えるよりアウトプット重視
哲学のエッセンスや思考過程を覚えようとしてもどうせ忘れます。人間の記憶容量には限度がありますから。
そもそも実際に使えなければ意味がありません。
ですから、覚えるよりアウトプットを重視していただくことをオススメします。
アウトプットの仕方については本ブログでも取り上げていますが、次の本もオススメです。
この本を読むと「こういう感じで哲学を活用すればいいのか」という発想が身につきます。
(2) 聞き慣れない言葉は自分なりに超訳する
哲学の難しい本を読んでいると聞き慣れない言葉にぶつかり、読み進めているうちにわけがわからなくなります。
例えば、
・形而上学
・実存
・心身二元論
など、まるで読者が常識として知っているかのように当然のごとく頻出してきます。
そこで、用語辞典などで調べて理解し、自分なりに超訳していただくことをオススメします。
例えば、
・形而上学=科学的に検証しようがないもの
・実存=今生きる私について考えること
といった平易な訳し方です。自分でイメージしやすい訳し方が望ましいです。
なお、用語辞典については以下の2冊を手元に置いておくと便利です。Wikipediaにも用語の説明があったりしますが専門的で難しいですので、以下の本で調べていただくことをオススメします。
後者はセンター試験用として出版されていますが、受験目的でなくても理解への助けになる本です。講師と生徒の会話形式となっていますので、まるで “本の中で講義を受けているような感覚” で理解していくことができます。
今のうちに哲学を身につけて人間の生活を確保しよう!
ここまで人間性を取り戻すための哲学の効用や読み方などについて紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
哲学は人間の生活を確保するためには必要不可欠のものです。物事の本質を捉える習慣がないと、目の前の情報に踊らされ、人間性の奪われた生活に陥ってしまいます。
哲学というと難しい専門書のイメージを描かれるかもしれませんが、上記で紹介しましたように
(1) 平易に述べられている本を読む
(2) エッセンスを紙に書いて整理する
(3) アウトプットの仕方を決める
という手順をとり、アウトプットしていただくことで習慣として身につきます。
これからは機械の奴隷にならないためにも今のうちに哲学を身につけて人間の生活を確保しておきましょう!