判断に自信のないときに役立つ道具
あなたは、物事を決めるときに何を重要視していますか?例えば、
・「周りに賛同されるのが望ましい」
・「周りに嫌われたくない」
・「私も流行に乗らないと・・・」
などと思って、あなたの考えとは異なる方向に流されていないでしょうか。
みんなで決めた旅行プランを例にするとご理解いただけます。幹事が1人の場合はサクッと決まりますが、2人以上になるとなかなか決まらないどころか、中途半端で面白味のないプランになりがちです。
そんなときに効果を発揮する道具を紹介します。それは、
「自分の考えも大事にする」
です。 この道具を使うと、周囲の考えに流されずに的確な判断ができるようになります。
では、「自分の考えも大事にする」という道具について詳しく紹介します。
「自分の考えも大事にする」とは?
あなたは「自分の考えも大事にする」と聞いて、どう思われますか?
“何だ、そんなことか”
“いつも大事にしてるよ”
と思われますでしょうか。
なぜ、そんなわかりきったことをわざわざ記事に取り上げるのか。それは、人間の心は弱いもので、意識でもって自分の考えを大事にしようとしても、結局何かに囚われて引っ張られてしまうということに注目していただきたいからです。
最終的には、「気が付けば、周囲の意見に従っている自分がいる」となる傾向が大きく、特に元来農耕民族である日本人にはそのような心的特質があるようです。それこそが人間の心理で、これを悪用する悪徳商法などが存在するほどで恐るべきものなのです。
基本概念:バンドワゴン効果
この道具は、「バンドワゴン効果」という心理傾向を基本概念としています。「バンドワゴン効果」とは、大勢の人が支持しているものに高価値に感じるというもので、「バンドワゴン」自体はパレードの先頭の楽隊のことを言います。
例えば、4人中3人がAという選択をしたら、残りの1人もそれを見てAを選びたくなる心理傾向のことを言います。口コミ情報で商品を購入したくなる気持ちが生じるのも、その例の一つと言えます。
バンドワゴン効果の具体例
・飲み会の例
飲み会の際にお酒を注文する際、最初にビールにする場合が多いですよね。
でも、中にはビールより他の酒が好きな人もいます。そういう人も周囲に合わせて、ビールを注文してしまうことが多いのではないでしょうか。
・新しいスマホの例
周囲の人たちが全員新しいスマホを持っていたら、あなたも買う気持ちが生じてきませんか?その際のあなたの気持ちはこうです。
「周囲が新しいスマホを持ってるから、私も新しいスマホを買わないと恥ずかしい」
大勢の人の支持に圧倒されて、恥ずかしい気持ちが生じることもあります。不思議なものですよね。
バンドワゴン効果を逆利用するのがいい?
人間には「バンドワゴン効果」の心理傾向があることをご理解いただきましたら、これを逆利用する手以外ありません。「バンドワゴン効果」を逆利用するとは、「流されている自分」に気づいて、その心理の壁を除去して的確な判断を行うことです。
そこで、上記に挙げた例で逆利用を試すと次のものが考えられます。
飲み会の例で逆利用
飲み会で飲む物ぐらいは、堂々と自分の好きなものを注文してみてはいかがでしょう。
「ビール以外を注文するなんて、めんどくさい人」と思われるのがイヤかもしれませんが、「めんどくさい」などと思う人の方が良くない態度です。好きなものを飲んで好きなことを語り合う会こそ、本来の人間らしい交流ではありませんか?
新しいスマホの例で逆利用
たとえ新しいスマホが話題の商品になったとしても、あなたにとって生活上のメリットがなければ買わなくてもいいわけです。新しいスマホにはどんな機能があり、それはあなたにとってどんなメリットがあるのでしょうか?
いずれにしても“周りが持っているから”は、購入の根拠にはなりません。
友達が欲しい場合に逆利用
上記の例とは少し性質が異なりますが、友達が欲しい場合にもバンドワゴン効果を逆利用することができます。
例えば、よく“LINEが使えないから友達ができない”と言う人がいますが、それを言い換えれば、“LINEで繋がる程度の友達が欲しい”とも言えます。欲求が浅いですね。
しかし、友達が欲しいと思う人はその程度で満足できるはずがなく、人間であればもっと深い人間関係を構築していきたいと考えているものです。
友達を作るなら、足を運んで遊びや食事でもしながら会話を楽しみませんか?その方が間違いなく楽しいと思います。それこそが、バンドワゴン効果の逆利用による成果です。
「流されている自分」に気づいて生きよう!
ここまで「自分の考えも大事にする」という道具について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
あなたは、いま「流されている自分」がいるかもしれません。そんな「流されている自分」にあなたは賛同できますか?賛同できれば結構ですが、賛同できない場合には、
「もっと良い考えがあるのではないだろうか?」
という疑問をあなたは抱いているはずです。
自分でもよくわからない情報は世の中にいくらでもあるものですが、「流される自分」とは大抵そのような場合に存在します。
そこで、もしそのような場合に出合ったら、
・「ちょっと待って!自分はどう思う?」
・「自分にとってのメリットとデメリットは何だろう?」
と、まず振り返ることが大事ではないでしょうか。