低収入で「確定申告」不要でも「住民税の申告」をしないと損をする理由とは?

住民税の申告についてご存知ですか?

と申しますのは、住民税の申告をしておかないと損をする可能性があるからです。

このように申しますと、

「確定申告をしなくていいのに住民税の申告が必要なの?」

という疑問を抱かれるでしょう。

その疑問にお答えするために、今回は住民税の申告のメリットについて詳しく紹介します。

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なぜ住民税の申告をしないと損するのか?

住民税の申告や確定申告を行わないと還付されないで損をすることがある確定申告をしなくていいほどの低収入であっても、住民税の申告をしないと損をする場合があります。

その理由は次の2つです。

(1) 国民健康保険税が軽減されない

国民健康保険税には、世帯の所得に応じて軽減する措置が設けられています。

ただ、住民税の申告のないことにより市町村が世帯の所得を確認できず、国民健康保険税の軽減措置を適用しない場合があるのです。

市町村によっては軽減割合が異なるのですが、軽減の有無の差で5万円以上も開くことがあります。

つまり、住民税の申告をしないと国民健康保険税で5万円以上も損する可能性があるのです。

低収入により確定申告をする必要がない人でも、住民税の申告をしないと市町村の認識として「非課税」ではなく「未申告」の扱いなんですよね。

(2) 市町村の優遇制度が受けられない

市町村によって、

・国民年金の減免
・保育料の減免
・高額療養費の減額

などの所得に応じた優遇制度が用意されていたりしますが、住民税の申告がないとこれらを受けられない可能性があります。

理由は(1)の国民健康保険税の軽減の場合と同様に、未申告により市町村が所得を確認できないためです。

そのため、今一度、所得に応じた優遇制度についてお住いの市町村のサイトでご確認いただくことをオススメします。

住民税の申告は確定申告と何が違うのか?

確定申告と住民税の申告は何が違うのかということについて理解していないと不便な生活になる住民税の申告と確定申告とでは、次の点に違いがあります。

目的の違い

どちらも所得を申告するものでありますが、「地方税のため」か「国税のためか」という目的の違いがあります。

住民税の申告は文字通り住民税額(地方税)を決めるための手続きであり、確定申告は所得税額(国税)を決めるための手続きです。

そのため、住民税の申告は都道府県・市町村に対して行い、確定申告は国税庁に対して行うのが趣旨となっています。

ただ、税務職員の事務の便宜上により、

・確定申告は市町村でも手続きができる
・確定申告を行えば住民税の申告不要

という取り扱いが図られています。

非課税ラインの違い

住民税の申告と確定申告とでは非課税ラインが違うのです。(この記事では非課税対象となる所得の上限を「非課税ライン」と呼ぶこととします。)

非課税ラインの詳細については後述しますが、住民税の非課税ラインの方がやや低く設定されているために確定申告不要でも住民税の申告が必要となるケースが生じます。

対象者の違い

確定申告は住民税の申告対象者より幅広く、基本的には次の方が対象となっています。

・年末調整を受けない給与所得者のうち、年間所得103万円を超える方
・副業で年間所得20万円を超える方
・個人の年間事業所得38万円を超える方
・年間の一時所得で50万円を超える方(宝くじなどの当選金)
・年金受給者のうち、確定申告不要制度の対象外となる所得(年金以外で20万円を超える所得など)のある方
・所得控除(住宅ローン控除や医療費控除など)を受ける方

など。

ですから、普通のサラリーマンであれば年末調整か確定申告で済むことが多いですが、低収入か無収入の場合には確定申告ではなく住民税の申告が必要になるケースが生じます。

住民税の申告が必要な人とは?

住民税の申告が必要な人はどんな場合なのかを理解しておくと知識として定着しやすい確定申告をすれば住民税の申告は不要ですが、確定申告者以外で住民税の申告が必要な人は、主として次に挙げる方です。

(1) 市町村の優遇制度を利用する方

市町村の優遇制度を利用する場合には住民税の申告が必要です。

市町村の優遇制度については上記で紹介しました国民健康保険料の軽減や保育料の減免等のことです。

ですから、もし「所得〇〇万円以下の方は軽減や減免ができます」という類の文言の制度について知りましたら

「そうか。では、住民税の申告をしよう!」

と反射的に連想していただくことをオススメします。

(2) 住民税の非課税ラインを超える方

上記(1)市町村の優遇制度を利用しない方であっても、住民税の非課税ラインを超える方は住民税の申告が必要です。

非課税ラインは

・給与所得の有無
・扶養親族の有無

で異なります。この点では所得税・住民税において共通です。

具体的なイメージをしていただくために、住民税の非課税ラインについて給与所得者かそうでないかで区別してご説明します。

給与所得者の住民税非課税ライン

給与所得者の住民税非課税ラインは、次のとおりです。

・扶養親族なしの人:給与所得控除65万円+35万円
・扶養親族ありの人:給与所得控除65万円+35万円×(扶養親族数+1)+32万円

よく「所得103万円までなら確定申告不要」と言われていますが、これは所得税の非課税ラインのことであり、所得税の基礎控除が38万円だからです。38万円に給与所得控除65万円を足すと103万円になりますよね。

住民税の非課税ラインは所得税の基礎控除ではなく所得割の非課税限度額で決まるので、所得税の非課税ラインとは一致しません。

所得割の非課税限度額は、上記の数式の

・35万円
・35万円×(扶養親族数+1)+32万円

の部分です。

例えば、扶養親族なしの給与所得者は住民税の非課税ラインが100万円(65万円+35万円)となり、それ以下の年間所得なら住民税の申告は不要です。

なお、均等割についても非課税限度額がありますが、金額については市町村によって異なります。

給与所得者以外の住民税非課税ライン

給与所得者ではない場合の住民税非課税ラインには給与所得控除がありませんので、次のとおりとなります。

・扶養親族なしの人:35万円
・扶養親族ありの人:35万円×(扶養親族数+1)+32万円

例えば、扶養親族なしの給与所得者は住民税の非課税ラインが35万円となり、それ以下の年間所得なら住民税の申告は不要です。

住民税の申告方法とは?

住民税の申告の方法を知っておくとスムーズに手続きを進めやすくて便利である住民税の申告は、1月1日現在の住所地の市町村に対して行います。

具体的な方法については次の表のとおりです。

方法 ・市町村の窓口で手続きする
または
・市町村に郵送する
時期 2月16日~3月15日(確定申告と同じ)
※もし「忘れてしまって、時期を逃した!」という場合でも、気がついたときに手続きすれば対応してもらえます。
ただし、住民税課税の時効が3年ですので注意が必要です。それ以上経過したものについては無効のため、対応してもらえません。
必要なもの ・住民税の申告書(郵送または事前に用意する場合)
市町村の窓口に用意されてありますが、事前に市町村のサイトでダウンロード印刷したものに記入して提出することも可能です。
・マイナンバー(マイナンバーカードまたは通知カード)
・本人確認書類(運転免許証等)
・印鑑(認印)
・収支内訳書(農業所得や事業所得のある方)
・源泉徴収票や給与支払い証明書など(給与所得のある方)
・医療費や生命保険等の控除証明書(控除のある方)

まずは住民税の申告の必要があるか確認しよう!

必要なことは確認しておくと得することが多くて喜びが増えるここまで住民税の申告のメリットについて紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

確定申告不要だからと言って必ずしも住民税の申告も不要とは言えず、申告をしないと損をする可能性があります。

まず、損をしていないか否かを知るために

・所得状況
・国民健康保険税の軽減状況

・所得に応じた市町村の優遇制度

についてご確認いただくことが望ましいです。

そして、市町村の広報誌やサイトなどで「所得〇〇万円以下の方は軽減や減免ができます」という文言を見かけたら、

「そうか。では、住民税の申告をしよう!」

とつぶやき、手続きに行きましょう。

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