新しいことをすぐに始めようと思ったときに使える道具
あなたは、新しいことを始めようとする際に躊躇することがありませんか?
例えば、
・気になる店があるけど、初めてだと入りづらい
・初対面の人に話しかけづらい
・パン主食からご飯主食に変えづらい
などのような経験はありますよね。新しいことを始めるにはある程度の心理的な負担が壁となり、その壁を乗り越える必要があるものです。しかし、すぐに取り掛かりたいのが本音にありますよね。
そこで、効果を発揮する道具を紹介します。それは、
「ルーティーンを作る」
です。この道具を使うと、新しいことにすぐに取り掛かりやすくなります。
では、「ルーティーンを作る」という道具について詳しく紹介します。
「ルーティーンを作る」とは?
「ルーティーン」は一連の繰り返される動作や手続きを意味する言葉で、スポーツでもよく使われます。
スポーツの「ルーティーン」と言えば、プロ野球のイチロー選手のバッターボックスに入ったときの独特な動きが有名ですね。「ルーティーン」を崩さずにバッターボックスに入ることによって平常心を保ちながらプレーすることができますので、安定した結果が期待できます。
この「ルーティーン」が、新しいことを始めようとする場合にも使えます。
それには「ルーティーンを作る」ことで、その後は脳が勝手に「ルーティーン」を繰り返してくれます。
基本概念:「自己ハーディング」
この道具は、「自己ハーディング」という心理傾向を基本概念としています。「自己ハーディング」とは、一度自分のとった行動を信頼する心理傾向のことで脳の作用によるものです。「ルーティーン」が繰り返されるのは、この「自己ハーディング」の心理傾向によるものと考えられます。
「ハーディング」は群集を意味する「herd」の派生語で、行列に並びたくなるなどの群集心理を表します。その概念の中で群集を自分の過去の行動に置き換えて「自己ハーディング」と呼ばれています。
行きつけの店に行く例
「自己ハーディング」の代表的な例として、行きつけの店に行くという行動が挙げられます。
一度その店に行ったという自分の行動を信頼して、二度目、三度目・・・と繰り返します。脳の作用によるものですので店の評価とは関係なく、その店に行ったこと自体が重要です。
つまり、「過去に行った店だから」というだけの理由で再度同じ店に入り、その店の常連客となります。
「ルーティーンを作る」にはどうしたらいいか?
「ルーティーンを作る」方法は次のとおりです。
(1) 何も考えずに始めてみる
↓
(2) 修正すべき点を集める
↓
(3) 修正すべき点を修正して再度始めてみる
↓
(4) (2)と(3)を繰り返す
要注意なのは、(1)の段階の前でのことです。 (1)の段階の前で計画や想像ばかりしていても時間ばかりが過ぎていき、しかも、時間をかければ質の高いルーティーンになるかというとそうでもありません。
そのため、計画や想像は(2)の段階の修正すべき点に組み入れるのが早道です。
気になる店に初めて行くには?
気になる店に初めて行くには、気になる店を複数用意しておくことが得策です。具体的には、次のようにしてみてはいかがでしょうか。
(1) 何も考えずに店に入る
(2) コスパが低いことに気づく
(3) 別の未知の店に行く
(4) 満足な店が見つかるまで(2)と(3)を繰り返す
すると、行きつけの店が見つかりやすいですし、初めての店に行く前の心理的負担も小さくなっているはずです。
初対面の人に話しかけるには?
初対面の人に話しかけるのには緊張して躊躇するものですが、例えば次のようにしてみてはいかがでしょうか。
(1) 何も考えずに話しかける
(2) 相手の口数の少なかった原因を検証する
(3) 別の初対面の人に話しかける
(4) 初対面での会話が楽しくなるまで(2)と(3)を繰り返す
すると、初対面の人への対処法が何となく見えてきますし、初対面の人と話す機会が多ければ多いほど平気になっていきます。
どんどん新しいことを始めて新しい経験を積み重ねていこう!
ここまで「ルーティーンを作る」という道具について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
新しいことを始めるには「ルーティーンを作る」ことで心理的な負担を乗り越えることができます。「ルーティーン」を作るにはまず行動することを最優先し、その後に修正すべき点などがあればその都度調整していけば可能です。
「案ずるより産むが易し」ということわざのとおり、考えるより行動してみることの方が解決が早まります。行動する前に考えると心理的負担が大きくなるものですが、考える前に行動すれば進むべき方向性が明確になり、心理的負担が小さくなります。
このことから、
心理的負担は想像の産物、迅速な解決は行動の産物
と言えます。
これからは、新しいことをすぐに始めたい場合には「ルーティーンを作る」という道具を積極的に使ってみてください。