「自分が誰だかわからない」と思ったときに効く『日本書紀』の効用とは?

あなたは日本人ですか?

日本人なら、日本の建国の歴史を語れますよね。

え、知らない? 日本人なのに?

ご安心ください。『日本書紀』をある程度知っておけば大丈夫です。

受験勉強のように内容の暗記をする必要はありません。あなた自身が日本人であることの意味を知っていただければ十分。

そこで今回は、日本人であることの意味を知るために『日本書紀』の存在意義について紹介します。

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『日本書紀』の上に日本が成り立っている理由とは?

日本人なら日本の建国の歴史を知る必要があり、その根拠は『日本書紀』を読めば理解できる『日本書紀』の上に日本という国家が成り立っていることをご存知ですか?

ほとんどの人が知りません。なぜなら、義務教育で学ぶ機会がないからです。その点、学校って不親切ですよね。

『日本書紀』の上に日本が成り立っている理由は、次のとおりです。

憲法が『日本書紀』を前提にしているから

日本という国家は憲法の下で成り立ち、さらに憲法が『日本書紀』を前提に成り立っています。ゆえに、日本は『日本書紀』を前提にして成り立っていると言えるのです。

憲法制定から改正までの以下の経緯を知れば、ご理解いただけます。

『日本書紀』を基礎とした憲法制定・改正

旧憲法(大日本帝国憲法)が『日本書紀』の秩序で成立し、現行憲法(日本国憲法)にも引き継がれています。次の条文にご注目ください。

大日本帝国憲法
第1条 大日本帝国は万世一系の天皇これを統治す(原文:大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス)

「統治す」は「天皇が統治する」(現代語の意味)ではなく、「天皇の存在により自然にまとまる」という意味を表しています。歴史が重んじられた表現です。

「万世一系」という部分が『日本書紀』を根拠にした証です。

「万世一系」が「象徴」の中に引き継がれた

戦後、現行憲法への改正が旧憲法第73条により行われ、「万世一系」の権威が「象徴」の中に引き継がれました。現行憲法第1条に次のように明記されています。

日本国憲法
第1条 天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。

ここで質問です。天皇が「象徴」であって、総理大臣が「象徴」でないのはなぜですか?

「万世一系」の権威があるのは、天皇のみだからです。(※出雲国造も「万世一系」でありますが、権威はありません。)

その権威もただ単に血統によるものではなく、『日本書紀』の「天皇は天照大御神の子孫であり、永遠に相承していく」という主張によるものであります。真否を問う余地を設けず、既定事実として前提になっているのです。

この前提を崩してしまうと、日本国は崩壊します。新たに建国の根拠を探さねばなりません。つまり、この前提が国家の基礎となっているということです。

そもそも『日本書紀』は何のために作られたのか?

歴史を史料で研究してみると意外な真実を発見することができる機会を得る上述のとおり『日本書紀』は万世一系の権威を主張する内容でありますが、主張するからには目的があります。

その目的は次のとおりです。

建国の根拠を対外的に主張するため

『日本書紀』自体が日本国建国の根拠そのものです。それを対外的に主張するために作られたのです。

同時期に作られた『古事記』と異なり、使われている文字が漢字のみであることから、明らかに当時の中国に向けられた文書だとわかります。

編纂が始められたのは、7世紀末(天武天皇の時代)です。7世紀と言えば、当時の中国である大唐帝国が最大の脅威でした。

唐の脅威が朝鮮半島と日本に押し寄せてきたのです。

日本は押し寄せる唐に対して服従・不服従の2つの選択肢がある中で、不服従の道を選びました。選んだのが天武天皇です。※この話の詳細は別の記事をご覧ください。

大帝国へ服従しない道を貫くには建国の歴史が必要であり、そのために天武天皇が歴史書『日本書紀』の編纂を始めました。

あなたも自分がどんな人間であるかを説明するには、過去のエピソードを持ち出しますよね。アイドルが好きな人ならば「○○のことがきっかけで○○ちゃんを好きになりました」と言うように、きっかけとなった過去のエピソードが根拠になります。

歴史はこの論理と同じです。日本国であることを主張するには、建国の根拠が語れなければなりません。

現代の日本人は建国の根拠を語れない

現代ではいかがでしょう。建国の根拠を語る日本人を見かけたことがありますか?

いないですよね。

戦前に教育を受けた人は語れます。筆者の祖母(大正生まれ)は語れました。「天皇陛下は天照大御神の子孫であり、日本は神が産み、神に護られている国なんや」と。天皇の名前も初代からスラスラ言えました。

戦前に教育を受けた人と現代人の違いは何でしょうか。

ズバリ、教育です。現代の義務教育では、建国の歴史について学ぶ機会が与えられていません。

なぜなら、戦後の教育改革により排除されたからです。

戦前では日本の歴史を「国史」と呼び、国語や算数と同じように一科目として存在していました。戦後の児童生徒は、建国の歴史が欠けている、外国人用の「日本史」を学んでいるのです。

どおりで日本人としての認識がどこか怪しかったりするわけです。「日の丸を背負って戦う!」と言うアスリートがいますが、嘘っぽい印象です。

『日本書紀』に神話がある理由とは?

神が求めるのは臆病者ではなく勇気ある人間であり、たゆまない努力に味方をする『日本書紀』には神話がありますが、特別なことではありません。『日本書紀』に限らず、世界の歴史書には神話がつきものです。

事実として語ることの難しい時代の説明には、やはり神話が持ち出されます。

「イザナギとイザナミが~」
「天照大御神が天岩戸に隠れて~」
「神武天皇が東征をし~」

などのあたりが『日本書紀』の代表的な神話ですが、事実かどうかの推測をしようにも全く材料がありません。

神話は先人の言い伝えによるものでありますが、言い伝える人自身も実は起源がわからず、想像で語った可能性が高いのです。

かと言って、何の参考にもならないというわけではありません。

自分史の位置付けを知るため

あなたにも自分史という歴史があります。歴史に限らず、神話も自分史の位置付けを知るための材料です。

「とにかく何らかの神秘的な出来事が起源であり、そこから歴史が始まり、現在私がいる」と捉えることに重要性があるのです。編纂当時の人にも現代の人にも共通して重要なことであり、天武天皇はそこまで配慮していたものと考えられます。

神話も歴史も知ろうともせず、ただ単に「気づいたら家にいた」という程度の認識では「自分が誰なのか」がよくわかりません。

わからないと、人は迷いの道に入り込んでしまうものです。「前世は○○だった」や「○○すれば天国に行ける」などの怪しげなまやかしやオカルトに騙されたりします。

生きるための軸を作る材料として、神話と歴史が必要なのです。

『日本書紀』で日本人であることを認識しよう!

日本人ならば日本の神話と歴史を知り、国民意識を高めることで日本人としての誇りを持つことができるここまで日本人であることの意味を知るために『日本書紀』の存在意義について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?

『日本書紀』は、7世紀当時において外圧に対する防具として作られました。日本人であるならば、その恩恵にあずかった存在であることを自ら認識する必要があるのではないでしょうか。

『日本書紀』には建国の根拠が書かれており、その上に日本が成り立ち、日本人である私たちが現在生活しています。記述の真否はさておき、憲法が前提にしていることは事実です。

そのことを教えてくれる義務教育の教職員は一人もいませんので、ご自身で学ぶ以外に方法はありません。

これからは、日本人の誇りを持つために『日本書紀』の理解を深めてみてはいかがでしょうか?

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