「発想力」を鍛えるにはなぜ「集中力」を捨てるのがいいのか?

アイデアがなかなか出てこなくて悩んでいる人「いいアイデアがなかなか浮かばない!」

あなたはこう思うこと、よくありませんか?

いいアイデアを出すには、古いアイデア同士を組み合わせることが基本でありますが、アイデアを出すのに長い時間かければかけるほど出てこなくなるものですよね。

しかも、長い時間を費やしたのにもかかわらず

「結局何もできなかった・・・」

という結末になりがちで、これが仕事においては残業時間の長さに影響してくるものと考えられます。

では、どのようにすれば長い時間をかけずにアイデアを出すようにすればいいと考えられますか?

そこで、効果を発揮する道具を紹介します。それは、

「飽きたら別のことをする」

です。この道具を使うと、無駄な時間を減らせる上に効率的にあらゆる作業を進めることができます。

では、「飽きたら別のことをする」という道具について詳しく紹介します。

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なぜ「飽きたら別のことをする」がいいのか?

複数の作業を同時に行う仕事を計画的に時間を測って仕事する飽きることは好ましくないイメージがありますが、「別のことをした方がいいサイン」でもあります。

例えば、ケーキを食べて感動しても、毎日同じケーキを食べると飽きますよね。すると、次にすることは何でしょうか。

「別のことをする」

ですよね。ですから、特に意識しなくてもできることなのですが、作業に関しては「集中しない=サボリ」と誤解されがちです。

そこで、 「飽きたら別のことをする」にはどのようなメリットがあるのかということについて下記に紹介します。

「集中が善」とは限らない?

人間、幼少期に大人から「集中しなさい」と教育を受けるもので、仕事をする人においても「集中する人=仕事のプロ」というイメージが非常に強いです。

しかし、「集中」はそんなに良いことなのでしょうか?

と言うと、

「それはそうでしょう。作業が順調に進められるわけだから。」

という答えが多く返ってくることでしょう。

ただ、「集中」が有効なのは「機械のように行うことで成果を上げる作業」に限られるのではないでしょうか?

「機械のように行う作業」とは、例えば、

・機械を使う作業
・計算する作業
・身体を使う作業

などが挙げられます。これらは主として、事務や製造、肉体労働などが該当しますが、プロのスポーツ選手も含まれるものと考えられます。

よく専門家の間で「イチロー選手の集中力は凄まじい」と評価されていますが、身体を使う作業に分類できるでしょう。スポーツの場合は、「機械のように行う作業」により身体能力や技術が向上していくので「集中力」は重要なものと考えられます。

では、「機械のように行う作業」ではないものについてはいかがでしょうか。

「発想」に「集中力」は不要?

「機械のように行う作業」ではないものと言えば、「発想」がまず浮かびますよね。「発想」にはマニュアルがありませんし、機械がしてくれるわけでもありません。

「発想」には「集中力」が不要と考えられます。

なぜなら、「集中」は「一つのことに神経を使う技術」であり、その他のことに対しては視線が注がれないからです。

つまり、

「集中」とは言わば「神経の遮断」、「発想力」の障害

となるものと言えます。

そのため、冒頭で挙げた「いいアイデアを出すために長い時間をかけた」というのは「発想力」の阻害要因となる「集中力」を使っていたと言えます。

ですから、「発想」には、一つの視点に視線を注ぐ「集中力」を使わず、くの視点に多くの視線を注ぐ「飽きたら別のことをする」が有効と考えられます。

「集中状態では無駄と思えるもの」にも、発想のヒントが隠されていることが多いですよね。

根本思想:作家・森博嗣の「分散思考」

多くの視点を持ちながら客観的に判断して決めるこの道具は、作家・森博嗣の「分散思考」という考え方を根本思想としています。

「分散思考」とは、タイムシェア(時間割)によって複数のことを同時に進めることを言います。パン製造工程で言えば、パンの焼き上がりを待っているだけでなく、その待ち時間を有効活用して、別の作業を行うことです。

例えば、4時間与えられているとすると、4時間すべてに同じ作業を充てるのではなく、時間を区切って各時間割にそれぞれ別の作業のスケジュールを入れるという方法が「分散思考」でのものです。

では、「分散思考」について、森博嗣氏の著書『集中力はいらない』の内容から参考になるエッセンスを下記に紹介します。

「集中力」は「頭の疲れ」で厭きる

一つの作業を4時間ぶっ続けでやってみてください。まず途中で厭きてくるはずです。

森博嗣氏は、この「厭きる」について次のように述べています。

厭きるというのは、つまり頭が疲れるということなのです。だから、集中していた対象から一旦離れ、つまりすっかり忘れて、別のことをします。それで、戻ってきたらリフレッシュしているから、いきなりトップスピードでまた書きだせるというわけです。

※引用元:『集中力はいらない』(森博嗣・著)62頁より

人間の集中する時間は約45分(子どもは30分程度)と言われているとおり、人間の脳は長時間の同一作業には向かず、限度を超えると「厭きる」となります。

この「厭きる」こそが「頭の疲れ」とも捉えることができます。脳が「もうそれ以上は同じ作業をするな」と指令を出しているわけですから。

発想は、集中している時間には生まれない

森博嗣氏は、発想の生み方について次のように述べています。

発想は、集中している時間には生まれない
(中略)
「きょろきょろ辺りを見回す」思考を長時間続けたあと、突然、なにも考えない空白の場に置かれたときに、発想は生まれる。

※引用元:『集中力はいらない』(森博嗣・著)39頁より

このことはドイツの科学者ケクレのエピソードが想起されるのではないでしょうか。ケクレは、馬車で移動中に眠っているときに夢の中に蛇が出てきてグルグル回った様子から、有名な「ベンゼン環」を発案しました。

アルキメデスのエピソードも有名ですよね、風呂に入っているときに「アルキメデスの原理」を思いついたという例。

「集中」では限られた事柄にしか意識しないものですが、「分散」なら多くの事柄に意識しますので、関係のない事柄に触れているうちにその事柄とリンクする可能性があります。

アイデアを色々出してみたけど、なかなかいいアイデアが出てこないときは別のことをすることをオススメします!

発想のエキスを熟成発酵させよう!

アイデアをたくさん出して豊かな発想をするここまで 「飽きたら別のことをする」という道具について紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

「何事も集中」とは言い切れず、いいアイデアを出すにはアイデアを出し続けるばかりでなく、ある程度時間を費やしたら別のことをすることで生まれやすいということについてご理解いただけたでしょうか。

つまり、

発想には、熟練より熟成が向いている

と言えます。発想の熟成について、作家の外山滋比古氏が次のように述べています。

寝させていたテーマは、目をさますと、たいへんな活動をする。なにごともむやみと急いではいけない。

※引用元:『思考の整理学』(外山滋比古・著)40頁より

これからは、いいアイデアを出すには「飽きたら別のことをする」という道具を使い、ある程度アイデアを出し続けた後しばらく寝かせておきましょう。

そうすれば、不思議なタイミングで素晴らしいアイデアが浮かんでくるかもしれません。ケクレしかり、アルキメデスしかり、熟成しているはずです!

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