危機管理が学べる?「野田市教育委員会の不適切な対応」に学ぶ他山の石について紹介
野田市における小学4年生の虐待死事件について、あなたはどのように感じられますか?
野田市教育委員会の不適切な対応について、憤りを覚えますよね。
不適切な対応には危機管理不足が背景にあり、私たちはここに他山の石として学ぶことができます。
そこで、今回は「野田市教育委員会の不適切な対応」に学ぶ他山の石について紹介します。
「野田市教育委員会の不適切な対応」とは?
文科相は次のように述べていました。
柴山文部科学大臣は、記者団に対し「教育委員会の対応は適切ではなく、極めて遺憾だ」と述べ、1日午後、文部科学省の職員を派遣して教育委員会への聞き取り調査を行う考えを示しました。
※引用元:2019年2月1日付けNHK 政治マガジン「教委対応 悲惨な事件の遠因では」文科相 調査へより
不適切な対応は多くの報道でも取り上げられたとおり、野田市教育委員会(以下「野田市教委」)が児童にアンケート調査を行い、アンケート上の秘密を守ることを約束しておきながら守らなかったことにあります。
野田市教委はなぜ児童の秘密を守らなかったのでしょうか?
児童を虐待した親がアンケートの情報開示を求めたのに対し、野田市教委が彼の威圧的な態度に屈して「やむを得ない」と判断したからです。
不開示情報を情報開示請求者の威圧的な態度によって開示したことが不適切な対応であり、これが虐待死の遠因と考えられます。
「野田市教育委員会の不適切な対応」に学ぶ他山の石とは?
野田市教委の不適切な対応から次のことが学べます。
「最も守るべき存在」への認識
野田市教委にとって「最も守るべき存在」は何だったのでしょうか?
行政としての立場ですか?
それも重要ではありますが、違いますよね。「最も守るべき存在」は被害児童です。
「最も守るべき存在は誰なのか?」を認識しておくことは、どんなことにおいても大切です。
会社の仕事の例では?
例えば、会社の仕事で重大なミスを犯した場合、あなたはどうしますか?
この際に「最も守るべき存在は誰なのか?」を確認すれば、誰に何をしたらいいのか的確に行動を進めることができます。
「自分を守るため」だとミスをなかったことにしてしまいますが、「迷惑かけた人を守るため」であれば謝罪し、損害があれば賠償したりしますよね。
このように「誰を守るのか」の認識の違いにより180度行動が変わりますので、野田市教委の二の舞にならないように肝に銘じておくことが望ましいです。
友人関係の例では?
友人関係においてもトラブルがありますよね。
例えば、A氏とB氏とC氏の3人でどこかへ遊びに行くことを決める際に、A氏が「カラオケに行こう」と言い出し、B氏が「ボウリングに行こう」と言い出したとします。
A氏もB氏も一応3人が楽しめそうなものを提案しているのですが、C氏だけ実はカラオケもボウリングも苦手だった場合はC氏が可哀想ですよね。
もしA氏とB氏のどちらかの案を実行した場合は、将来の3人の友人関係は確実に崩れるでしょう。なぜなら、「自分を守るため」の行動だからです。
「3人の友人関係を守るため」の行動であれば、3人とも楽しめるものが望ましいですよね。
会社の例と同様に「誰を守るのか」の認識の違いにより、将来的に友人関係もそれなりに大きく変わっていくのです。
対応に困ったときこそ、頼れる人に相談すること
報道記事によると「保護者の威圧的な態度により仕方なく開示した」とのことですから、威圧的な態度がなければ不開示にしていたわけです。
このことから、野田市教委は加害親への対応に困っていたことが考えられます。
対応に困っていたのがあなただったらどうしますか?
誰かに相談しますよね。本件の場合では
・不開示理由の確認
・開示するならば、その理由の確認
が必要だったはずです。
確かに、開示した担当者が行政事務に不慣れな教職員であったがために法的根拠への認識が不足していたのかもしれません。保護者に「訴訟を起こす」と言われて脅えていたとのことですからね。
しかし、仮にそうだったとしても個人情報保護に詳しい職員や専門家に相談すればいいですし、少なくとも児童福祉担当課や児童相談所に虐待状況を確認して「開示しても問題ないか」ぐらいは確認するべきです。
このことからは、困ったときは頼れる人に相談することが他山の石として学べます。
自分以外の存在を必死に守る危機意識を持とう!
ここまで「野田市教育委員会の不適切な対応」に学ぶ他山の石について紹介しましたが、いかがだったでしょうか?
野田市教委の不適切な対応に批判したくなる気持ちはわかりますが、折角の考える機会ですから他山の石にして知恵を道具化しましょう。
他山の石としては上記で紹介しましたように、
・「最も守るべき存在」への認識
・対応に困ったときこそ、頼れる人に相談すること
について学ぶことができます。
これから組織や人間関係のトラブルに際しては「最も守るべき存在を守ること」を意識し、対応に困ったときには頼れる人に相談しながら行動していくと最悪の事態を回避できるのではないでしょうか。